私がメッセンジャーの仕事を始めたのは2004年の春。当時は今みたいに自転車のシーンがハイプじゃなかったし、Fixed Bikeに乗ってるのはメッセンジャーか、一部の自分を持った人達だった。フォトグラファーとして、私はFixed Bikeとそれに乗るメッセンジャーの姿に感動して、シャッターを切らずには居れなかった。命を任せるって大げさに聞こえるかもしれない。だけど、簡単に乗りこなせるイージーな乗り物ちゃうし、責任持って乗らなあかん乗り物やと私は思う。
私がメッセンジャーをはじめて半年ぐらい、ピックアップした荷物をライダーに渡す役割のピッカーをやっていた。集合地点に立っていると、そこめがけてみんなが荷物をとりにくる。意識が高い人ほど、「早く渡せ!」って要求も高い。もし荷物が遅れたら、クライアントに顔がたたない。早く荷物を届ける責任が彼らにはある。自転車で街を走ることを生業していて、自転車愛好家とも違う。みんな責任と誇りをもって街を走っている。
メッセンジャーにはCMWCという世界大会がある。毎年世界の各都市で開催され、世界中のメッセンジャーが集結する。大会では普通のデリバリー業務がレース形式で行なわれる。メッセンジャーの早いって、街を走るだけじゃない。鍵をかけたり、ビルの階段を駆け上ったり、ロスの時間がないってこと。
きれいに街を走るメッセンジャーを街で見かけると、つい感動してしまう。早い人ほど、信号で止まってる姿なんか見たことがない。もちろん、信号を無視しているわけではなくて、止まらない技術をもっているから。主要幹線道路の信号は、どのタイミングで赤信号になるか、ここの交差点が青だから次の何個まで青信号だとか、彼らは覚えている。
震災以降、自転車ブームは益々熱を持ってきた。そんな今だからこそ、毎日誇りをもって街を走る彼らにリスペクトをもってほしいと思う。
Pai