蜷川幸雄と、さいたまゴールド・シアターの挑戦。 リアルな人生が演劇を豊かにする
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彩の国さいたま芸術劇場の芸術監督、蜷川幸雄が率いる「さいたまゴールド・シアター」。55歳以上の劇団員42名で構成するこの集団には、プロの役者たちによる演劇とは異なる表現力が根ざしている。プロジェクトの試みについて、蜷川幸雄に話を聞いた。
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プロとしてキャリアを積んだ役者ではなく、齢を重ね、個人史を背負った人々だからこそ実現できる演劇とは―。数々の劇作品の演出を手がけてきた蜷川幸雄のそんな思いから、2006年4月に「さいたまゴールド・シアター」は発足した。団塊の世代の定年退職という時期と一致し、高齢者に新たな挑戦の場を提供する社会的意義も注目され、さいたま芸術劇場のこの試みは各メディアで報じられた。

たしかに、そうした社会性に裏付けられた意図はあるだろう。しかし、蜷川幸雄はやはり、あくまで演劇人だ。ときに頑固であったり、耳が遠かったりもする団員たちと、作品をよりよい形で完成させるために格闘を続ける。しかも、これまで「ゴールド・シアター」のために、岩松了、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、松井周という3作家が作品を書き下ろした。蜷川の狙いは、劇作家が生み出す文学と、老人たちの人生という現実とをぶつけることで、文字で読んだだけでは見えてこない戯曲の過激さや情感を引き出すことにある。若い世代(松井に至っては30代)が書く戯曲を人生経験の豊富な老人たちが演じ、そこに生まれるリアリティを掬い上げるという、新しい演劇表現への探究心が蜷川幸雄を突き動かしているのだ。

 

http://www.saf.or.jp/(彩の国さいたま芸術劇場 公式サイト)

 

 

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